2012年09月17日

三重県 光明寺副住職 山口正倫師 いただきます


私たちはごはんを食べる時、「いただきます」と言います。「いただきます」と言うことについて少し考えてみようと思います。

「いただきます」と同じ意味の言葉に「頂戴します」という言葉があります。「頂」は頭のてっぺん、「戴」はのせると云う意味です。私達僧侶は、お袈裟をつける時、まずお袈裟を頭の上に載せます。これを頂戴すると言います。お釈迦様のお悟りと教えの象徴であるお袈裟に対する最高の敬意の表現です。
 としますと、ごはんを食べる時の「いただきます」も同じ様に、本来は頭の上に捧げ持って敬意を現すものといえます。

 では、何に敬意をはらうのでしょうか。私達の食事とは、植物、お肉、お魚など生き物の命をとり入れることです。それだけではありません。植物ならそれを栽培した人、お肉ならその動物を飼育した人、お魚ならば海や河へ取りに行った人、またその他に、それら食料を加工してくれた人々、運んでくれた人々、調理してくれた人々など。まだまだその他に、食料を育んでくれた大地、気候、天候など、ありとあらゆることやものが集まってきているものなのです。まるで宇宙全体が私達の為に働いてくれているようです。言いかえれば、宇宙全体に生かされていると云えるのではないでしょうか。

 私たちの先人はその事がわかっていたのだと考えられます。「いただきます」は感謝のことばであり、宇宙全体によって生かされている「私」を自覚することばなのです。

どうぞお食事の前には手を合わせて「いただきます」と仰って下さい。
posted by 曹洞宗東海管区教化センター at 00:00| 山口正倫 老師