2013年12月09日

岐阜県 大龍寺住職 竹山玄道 老師「布施行」

人間が生活していく上で、もっとも大切なことは自分以外の人とのコミュニケーションではないでしょうか。今テレビや新聞などを騒がせている痛ましい事件の多くは、コミュニケーション不足が原因になっています。私たちは生まれてからこれまでに大変多くの人々のお世話になって、今日の生活が成り立っています。その中で幸せに日常生活を送っていくには、人とのコミュニケーションは不可欠といえるでしょう。
仏教の教えの中に「布施行」というものがあります。布施といわれると一般的には、お坊さんにお経を読んで頂いたお礼に、お金をお渡しするのがお布施、と思われている方々が多いと思います。それも先祖供養のための大変大事な「布施行」であります。しかし、実はそれ以外にも布施行は我々の日常生活の中に沢山あります。それは、自分以外の人に感謝の気持ちを抱くことです。例えば自分の為に行動して頂いたことに対して有難うという感謝の言葉を心を込めて言う事。感謝の心を伝えることで人間関係がより良いものに変わっていくはずです。言葉が恥ずかしくて言えないといわれる方は、相手に対して優しい目で微笑かけて下さい。「目は口ほどにものを言う」とも言います。嫌悪感を抱いた目と優しい目とでは相手に与える印象は随分違います。
私たちの周りには布施行を行うことのできる環境が多くあるといえます。それを実践するかどうかは自分しだいです。自分から行動する強さを日々の生活から学んでください。そうした環境づくりが整うことによって周りとのコミュニケーションが豊かなものになることでしょう。子孫が幸せなことが一番の先祖供養につながり最高の「布施行」ともなります。   
簡単なことではありますが、実はとても難しいことだと思います。当たり前の生活の中にこそ、仏の教えはあるのです。
posted by 曹洞宗東海管区教化センター at 00:00| 竹山玄道 老師