2011年09月26日

愛知県名古屋市 東昌寺住職 芳賀成明 老師 「五観の偈」 その一


 こんにちは。突然ですが皆さん「おにぎり」はお好きですか?
 私時々食べますが、ホカホカご飯のおにぎりは美味しいですよね。
 そこに好きな具が入ってパリッとした海苔が巻かれていたらもう、言うことありません。 それに、手に持って食べることで、食べ物とのつながりも、よりはっきりと見えてきます。
 昔からお米がご飯として私たちの口に入るまで、米という文字の形から八十八の手間と苦労が掛っていると教えられてきました。それだけ多くの縁と恩恵があって食べ物が頂けるわけです。
 そしてもう一つは忘れていけないのが、肉や野菜はもちろん、料理で使う水や塩に至るまで、大自然から生まれたものには全て命があるということです。
 その命を頂くということで、私という命が支えられているのは、忘れてはならない事実です。
曹洞宗の食事作法に「五観の偈」という、五つの唱えごとがあります。
その第一が、「一つには功の多少を計り、彼の来処を量る」というものです。「功の多少を計る」とは、私を支える数多くの縁と恩恵を知ること。「彼の来処を量る」とは、私を支える糧は、他の生命に由来している事実に心を向けること。
食事は、私を支える縁に気づき、生命を戴くことに思いを巡らせることから始まります。食べ方は生き方につながります。そのことを覚るのが真の智慧です。
五観の偈は更に「二つには、三つには」と深くそこを見つめていきます。
次の機会は、二つ目を学んでみましょうか。
ところで、おにぎりを「おむすび」とも呼びますよね?これも生命と生命が縁で結ばれ支えられていることを忘れないために、昔の人が呼び始めたのかもしれませんね。
posted by 曹洞宗東海管区教化センター at 00:00| 芳賀成明 老師

2011年09月05日

静岡県浜松市 西光院住職 桐畑守昌 老師 「正しく聴き、正しく伝え、正しく行う」


 先の未曾有の震災から半年がたちました。震災直後から日本国内海外から多くの救援援助、ボランティア等多くの方々の迅速な行動に感動しました。私もボランティア活動に参加したいのですが、足に障害が有る為現地に赴くことが出来ません。毎日歯がゆい思いで新聞やニュースから意識を離さないようにしています。今自分に出来ることを模索し、朝のお勤めでの供養、托鉢などで遠くの地域よりの行をさせて頂いています。
 以前、テレビであるキャスターが「情けは人の為ならず」という昔から伝わることわざを全く違う意味で使っているのを聞きました。人に情けをかけると、その情けを受けた人はそれに甘えて今以上成長も前進も出来なくなるから、早々に情けをかけてはいけないと言うのです。本来は他の人に良い行いをすると、後に自分自身に何かしらその報いがありますよ、という意味です。ところで、このことわざだけでなく他の言葉でも正しい使い方が出来ているでしょうか?私たちを取り巻くあらゆる環境の影響もあるかもしれませんが、今異常なほど日本語が乱れているように感じます。
 道元禅師様の教えに「利行」という教えがあります。この利行とは、自分を空しくして他の利益をはかる行為、自分を後にして他を先にするはからいという教えです。簡単に申せば、ありがとうを求めずに他の人々に喜んでいただく自己の行い、といって良いでしょう。
 この利行の教えを正しく聴き、周囲の人々に正しく伝え、どのような形でも良いですから行動を起こしましょう。一時的な支援活動ではなく被災された方々から多くの笑顔が戻る時までこの教えの実践を致しましょう。
がんばろう日本!
posted by 曹洞宗東海管区教化センター at 00:00| 桐畑守昌 老師